タナ・アバンのKUA宗教管理事務所を訪問しました

今回のインドネシア訪問にあたり
私が一番楽しみにしていた場所が、
KUA(Kantor Urusan Agama、カーウーアー)、宗教管理事務所。
ムスリムの男女の婚姻登録を取り扱う役所です。
私のたっての願いをきいていただき、
同じ日本インドネシア法律家協会に所属する
インドネシア人弁護士の取り計らいにより
訪問が実現しました。
訪れたのは、
ジャカルタの中心部にある
タナ・アバン(Tanah Abang)という地区のKUA。
外観。
所長や職員に直接話を聞く機会をいただいたので、
以下にまとめておきます。
■KUAの主な役割
①ムスリムの男女の婚姻登録
*ムスリムであれば、インドネシア人同士に限らず、
インドネシア人と外国人、外国人同士の男女でも可。
②婚姻前のカップルに対する指導
*夫婦としての義務や、婚姻とはどういうものか等について説明や助言を行う。
③離婚や相続などの相談対応
*離婚の手続は宗教裁判所の管轄であるものの、
相談レベルまでであれば対応可能。
④寄進(Wakaf、ワカフ)の受付
*モスク建設のため等の土地や資金の寄付の受付も行う。
⑤メッカ巡礼(ハッジ)に関する指導
*メッカへの行き方やハッジの方法等について説明や助言を行う。
⑥改宗の儀式と手続
■婚姻登録を行うために必要な書類(日本人♥インドネシア人の場合)
①インドネシア人のKTP(IDカード)の原本とコピー
②日本人のパスポートの原本とコピー
③在インドネシア日本大使館・総領事館で発行された婚姻要件具備証明書
④日本人の改宗証明書
⑤日本人の戸籍謄本
⑥二人の証明写真 たて3㎝×よこ2㎝…各4枚、たて6㎝×よこ4㎝…各1枚
※注意!
各KUAによって、また、各ケースによって必要書類が異なります。
必ず管轄のKUAで事前に確認していただくようお願いいたします。
■その他婚姻登録に関すること
・婚姻の儀式と婚姻登録はセット。
すなわち、婚姻の儀式を行わずに婚姻登録だけを行うということはない。
・婚姻の儀式を行う日の10営業日前までにKUAに申込みを行う必要あり。
・夫から妻への持参品(Mas Kawin)で多いのは金のアクセサリー。
・婚姻の儀式にKUAの職員が立ち会い記録し、婚姻証明書(Buku Nikah)を発行する。
・婚姻登録のデータはKUAで保管され、婚姻証明書を紛失した場合は再発行可能。
・婚姻の一連の手続を開所時間内かつKUAの事務所内で執り行う場合の手数料は無料。
時間外又はKUAの事務所外で執り行う場合の手数料は60万ルピア(今のレートで換算すると約4,500円)。
ちなみに、このタナ・アバンのKUAでは
日本人男性とインドネシア人女性の婚姻手続を執り行ったことがあるそうです。
とても気さくに、細かい質問にも丁寧に回答していただいたおかげで
KUAに対する理解をかなり深めることができ、
非常に有意義な訪問になりました。